言葉にしなきゃ伝わらない。
「あんた、もしかして喋れへんの?」


さっきまで、あんなに怖い声だったのに、一瞬で初めて会ったときみたいな優しい声になった。


その質問に、コクリと頷く。



「・・・ほんまか!?ごめん!ごめんな?俺、言いすぎた。」


悲しそうに目を伏せて、その綺麗な瞳を私に向けた。


「ごめん。俺・・・最悪やな...あんた、そんな礼儀知らずな子には、見えへんのに・・。」


ううん、そう言いたくて首を上下に振った。



とんっ...

男の子が私の頭に手を置いた。



そして、優しく撫でていく...大丈夫だよ、そう言うかのように。



やっぱり・・・優しい人なんだ...




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