言葉にしなきゃ伝わらない。
大きな二重の瞳にぷっくりとした唇


そして...


少し痛んだ髪と傷だらけの小さな顔と腕



小刻みに震えている、とっても小さな体。





天の川――夜空の光だけが俺らを照らす。



淡く儚い星の帯



キラキラと輝く天の川とは対照的な小さな女の子は、俺の胸に埋もれ震えていた。



「あんた・・・ずっと泣いてへんやろ?」


俺がそう言うと、女の子は口をゆっくりと動かし



『何で分かるの?』と



今にも涙がこぼれそうな瞳を必死に我慢する姿



それを見ただけで―――今の自分を思い出すようだった。





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