言葉にしなきゃ伝わらない。
そこから、その子に少しずつ携帯の使い方を教えるのにも一苦労したのは言うまでもない。
小学6年生で携帯電話を知らんやつがおるのがビックリするぐらいやからな....
一体・・・この子は、どんな生活をしているんやろう?
喋る事も、心から笑う事も、傷だらけの体も・・・
普通の子とは決定的に違う...
俺は
この子の力になってやりたい
そう、思うようになった。
少しずつ...少しずつ話していくうちに、どんどん“キミ”にハマっていく。
「・・・ほら、マスターしたやろ?」
そうして携帯と格闘してから、やっとこさ完璧に使えるようになった。
「これだったら、さっきよりは長い言葉もスムーズにいけるんとちゃうか?打つ間は、なんぼでも待っとるから」
俺が頭を撫でると
携帯の画面を見せて
『ありがとう!!』と映し出させていた。