言葉にしなきゃ伝わらない。
私が言葉を発した・・・ううん、口を動かしてから。



少しだけ、男の子が一瞬止まった。



ピタッと私の顔、ただそれだけを見つめて




綺麗な瞳の奥に少し影が見えた。


ずっと見ていると吸い込まれてしまいそうな綺麗な瞳に・・・・


言葉では言い表すことのできない“影”を




少しの間、二人は見つめ合って


男の子が口を開いた。



「俺の名前・・・やろ?合っとる....か?」


私を抱えながら、自信なさげに眉を下げた。
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