言葉にしなきゃ伝わらない。


少しでも耳を傾けてくれたらいい...

俺の声を聞いて泣いて、笑って、怒ったらいい


美月が今まで出来なかった事、すべてを俺で経験すればいい




夜風が舞い俺の髪が揺れた。


そっと空を見て、月見崖に戻ろうと思ったが、今日は帰ることにしよう。




ジャリッと砂を踏んで一歩前に足を出した。



一歩一歩...少しずつ家に向かってゆく。


早く家に帰って、笑顔で家族に迎えてもらう。



そんな夢のようなお話になんて何も期待してない。


家族そろってご飯を食べる?

テレビを見て一緒に笑いあう?



俺の家には...家族は...




そんな関係のある家族では無い。



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