言葉にしなきゃ伝わらない。
ぎゅっ...


そうやって、私を思いっきり抱きしめて安心させてくれる。



「もう・・美月と会って...今日で、丁度2年やな。俺、今は中2やし・・・もちろん、美月もやぞ?」

そう言って、いつもの素振りで携帯を渡す。


渡された携帯を握って、空を見た。



中学・・・2年生。


あの日から出会って、もう・・・2年も経つ。

そう思うと、急に辺りが遠くなり肌寒く感じた。



「みーづき、目が遠くなってもーとる。あははっ、そりゃ驚きもするわな」


真っ白い綺麗な歯が月明かりを浴びて、キラキラと輝いて見える。


優心も、私と同じように空を見上げる。



「今日が・・7月7日。俺と美月の大切な記念日。忘れんなや?」

そして、私の顔を見て、また笑った。

私よりも大きな手で頭を撫でる。




優心の携帯を握りしめ・・・そっと胸に手を当てる。


急いで文字を打って画面を優心に見せた。



『私の、すべてを話したいの。聞いてくれる?』


大切な私達の記念日、私のすべてを話すなら・・・この日がいいと思った。


優心なら・・・受け止めてくれるって...



急に風が強くなって、私達の髪が、フワッと舞いあがった。
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