言葉にしなきゃ伝わらない。
「・・・そっか....やっと・・話してくれんねんな。ちょっと嬉しいわ」



さっきより、強く私の体を抱きしめる。



『そう言ってくれて、嬉しいな』


優心に画面を向け、少しだけ微笑む。



「とことん、聞いてやるで!!初めて会った時・・・言ったやろ?俺は美月の支えになりたいって...。俺は、一度言ったら絶対にやりぬく男や!!そこらへんの、フラフラした男とは全然ちゃうっ!!!」


にかっと、また歯をむき出しにして笑った。



本当に・・・優心を見てると、現実を忘れることが出来る。


たった1人の・・・大切な存在。



今の私にとって、優心は無くてはならない存在に、この2年間でなってしまった。




「ゆっくりでええよ。美月のペースで教えてな?急かさへんし、催促もせんから。泣きたかったら泣いてええし、嫌になったら止めてもええ。俺は美月の味方や。」



こうやって、時折見せる優しい優心。



透き通るような甘い低音が私の耳をくすぐる。
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