言葉にしなきゃ伝わらない。
ぽんっと私の頭に置かれる優心の温かい手。


あぁ...幸せだなぁって、そう思った。





溢れる涙を止めないで流す



こんな事を許されるのは・・・優心の前だけ



そっと胸を貸してくれて、ゆっくりと私の頭を撫でてくれる優心。






何もかもを包んでしまうような・・・あなたの声は私の生きる力になる。



聞いただけで、傍にいるだけで....



明日も生きよう。


そう思えるから




「声も出ぇへんようになって、一人ぼっちで痛い目受けてて...何も知らん俺が言っても美月に悪いような気がするし....でも、俺が一つだけ言えること。それは...」


少しだけ目を伏せて私の耳の近くで、そっと優心は囁いた。



「いくら声が出ぇへんでも、美月は・・・美月や。他の誰でも無い、俺が大好きな美月や」


・・・・えっ?


涙で焦点が合わなくて、ぼやけて見える優心が私に優しく微笑んだように見えた。






ねぇ・・・今、大好きって言った?




< 64 / 144 >

この作品をシェア

pagetop