言葉にしなきゃ伝わらない。
『優心、今まで・・・ありがとう。ただ、それだけ、伝えたかったの』


急いで打った文字を優心に見せた。


もう・・・今日で、優心の携帯を使う事は無くなるんだ...そう思うと、また・・・涙が出そうになる。



分かってる・・・自分が一番分かってるから。


優心は、私のために言ってくれてるんだって事...。




そんなの・・・・そんなの・・・・知ってるもん。



段々と震えてきた指を、不意に優心が自分の手で包んだ。


一瞬の出来事に戸惑っていると、優心の優しい声が聞こえ始めた。



「こんなことしか出来ん俺を許してくれ、なんて言えへんけど。美月が大好きだから、大切だから・・・考えた事なんや。俺だって、これからも傍で笑いあってたい。けどな...やっぱり俺といたら、美月が可哀想やねん」



儚そうな瞳。


立ったままの体勢の私は、もう・・どうする事も出来ない。




選択肢は一つ

そう・・・たった一つだけなの。


『離れること』



それが私達にとって、一番の解決方法。



・・・そうなんでしょう?
< 74 / 144 >

この作品をシェア

pagetop