言葉にしなきゃ伝わらない。
包まれている手と手。

優心の体温から伝わってくる、熱。



あぁ...
これで、最後なんだなぁ。



悲しそうな顔で見つめる大好きな人。


私も“あなた”も、誰にもわからない...分かれない、深い闇を持っている。




だから、今まで分かりあえた。互いに、笑いあえた。

そうなのかもしれない。



『優心なりに、考えてくれた事なんだよね?』

たった一行の分。


広く大きな画面に映された、私の言いたい言葉。



その画面を見せ、優心は、ゆっくりと頷いた。

そして、そのまま左手で自分の瞳をこする。



泣き虫だよ・・・優心は。


私は、こんなに我慢してるのに。

喋れなくても、伝えられなくても・・・ちゃんと頑張ってるのに。
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