言葉にしなきゃ伝わらない。
もう、瞼を開けたくない。

ずっと閉じていたい。


目の前の現実を・・・見たくないの。



私の祈りが儚く散った。

届かない願いが、一瞬にして。



出て欲しくなかった名前。

大好きな人の名前。



鼻の奥がツーンとしてきた。

必死に抑えようとするけど・・・抑えきれない。



唇を噛み締めて、我慢する。



――涙を...流さない為に....。



真っ暗な現実の世界。

光なんて・・・知らない、見えないから



どうやって、どう動いたって・・・何も変わらない。




出来ることなら、もうしてる


でも・・・出来ないんだよ...。




くるりと後ろを向いて、リビングへ入った。


テーブルには1セットの皿が、おじさんは、どこかへ出かけたんだろう。



キッチンへ行って冷蔵庫を開けた。


中には紙のバーベキュー用の皿に、サンドイッチが、ちょこんっと置いてある。

その皿を手にとって、テーブルに置き、コップを出して飲み物を入れる。



こんなこと・・・いつものことなのに...。



さっきのことを誤魔化そうと、無かった事にしようと・・・いつも通りにしても、心は・・・全くついていかない。
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