言葉にしなきゃ伝わらない。
そっと視線を落とすと目の前に置いてある、私の朝食。


座って、食べてみようと思うけど・・・喉を通らない。



静かなリビングで、ひそひそと聞こえるおばさん達の会話。

まだ・・・話してるんだ。



テレビを付けてみようと思っても、どうも気分が乗らない。

だって・・・大好きだった人がいなくなったんだもん、そりゃそうだよね。



・・・なんて、笑ってみる。




離れようって言ったのは誰?

俺といると美月がダメになるって言ったのは?

ずっとずっと・・・泣いてたのは・・・・



―――誰よ!?




ふつふつと名前も知らない怒りが込み上げてきた。

やつあたり、そんなんじゃない。


ただ・・・、ムカつくの。



「好き」って「大好き」って...言ったじゃん。

私の事を想ってくれうから・・泣いてくれたじゃん。

私の事を一番に考えてくれたじゃん。

自分の事は置いといて、いつでも笑顔を向けてくれたじゃん。



ねぇ...教えて、優心。



私は・・・そんなに優心を縛ってましたか?


優心が自分自身の悩みを打ち明けられないくらい・・・頼りない女だった?


喋れないし、才能だってない。


でも、誰よりも・・・誰よりも、優心を好きな気持ちは負けない。

そう思ってたの。




そんな私は・・・優心の傍にいる資格、ありましたか?
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