言葉にしなきゃ伝わらない。
そっと女の人が私の腰に手をまわし、起こしてくれた。



どうやら、私は今まで眠っていたみたいだった。

全く覚えていない。





じゃぁ...あれは夢なのか?現実なのか・・?

大切なものだったのか?いらないものだったのか?






いや・・・思い出したくなかった...出来ればだけど。


良い思い出でもない、でも悪い思い出でもない・・・そう思うの。







「ねぇ、美月?本当に・・・・」

少し溜めて、そして思いっきり息を吸った、何なんだろう..この人。



「起きろぉぉぉぉぉ――――!!!!」


鼓膜が破れるかと本気で思うほど...もう部屋とか吹っ飛んじゃったんじゃないかと思うくらいデカい声。






眠たい体が一気に冷めた。


・・・もう、ビックリするくらい。




「・・・おはよう....。」


蚊の鳴くような声で、あいさつをする。



「はい、おはよう!!今日も、ちゃんと喋るのよ??・・・まぁ無理なんだろうけど」


無駄な元気を振りまき朝からテンションが高い、この人。





・・・それは
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