言葉にしなきゃ伝わらない。
「美月、さぁめしあがれ?」
紅華は私の向かいの席に腰を下ろした。
家族二人だけで住むには、考えられないような大きな家。
家全体に、朝食の良い香りが充満している。
「...いっ....いただきます。」
「もう~「いただきます」くらい、ちゃんと言いなさいよ」
「・・・うん。」
こんな会話を毎日、何回も...。
これでも、大分、進歩した方
ト―ストに目玉焼き、トマトサラダ、そのほか4品。
目の前の豪華な料理にいつも感心する。
手を進め、もくもくと食べていく。
その姿を優しく見ている紅華。
こんな時間がいつまでも続けば...そう、私は日々思ってる。
「――ねぇ、美月。あの日、私と来て良かったって思ってる?」
唐突な質問。
多分、夢の事と私の事を心配して話してくれているんだろう。
そして、また・・・あの日の事を話す時が来た。