言葉にしなきゃ伝わらない。
「美月が今、高3でしょ?・・んで、私と会ったのが中2ん時。」


「・・うん。」


手と口を動かしながら話していく。




紅華が現れたのは、本当に突然でいきなりで...

でも、心の底から安心した。




「美月の母さんは私の姉って言ったでしょ?・・・でも、私は葬式さえ行けなかった。自分の事で精一杯だったから...」


そっと目を伏せて切ない顔をする。


そんな顔でさえ、紅華は本当に絵になる、女の私でも見とれるくらい。







あの運命の日――私は紅華と出会ってなかったら...今頃どうなってたんだろう?




考えただけで悲しくなる。

泣きたくなる。

淋しくなる。





太陽が昇って下がって...今度は、月が昇って下がって..また、太陽が昇る。


一日一日が涙ばかりだった。

ただ過ぎていく日々を見るだけの傍観者だった私。





辛くて...苦しくて。





でも、段々と紅華といるとね....心が落ち着くの。


・・・何でだろうね、不思議...。


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