スカイ

ハイキングも、班のメンバーで行く。

森くんはよく眠れたらしく、張り切っている。

私はやる気が起きない。

真子はやっぱりきちんと考えて早く寝たんだろう。元気だ。

理穂ちゃんも遅くまで起きてたはずなのに、森くん程ではないが元気。


なんで…。


前田くんはというと、

無表情。

いつも通りだ。


山を登ってゴールまで行くのにだいたい一時間半かかるらしい。

それほどキツい道じゃないと思っていたけど、

3分の1くらいまで来て、もう疲れが押し寄せてきた。

いつも私は10時くらいには寝る。

それが夜中の3時。

かなりキツかったみたいだ。

「休憩しようよ〜」

「何言ってんだ市川!俺らは一番にゴールするんだぞ!!」

はぁ。

森くん元気すぎる。

「真子。暑いよね疲れたよね休憩したいよね」

真子に助けを求めた。

「え?まだまだ大丈夫」

がーん。

「り、理穂ちゃん」

「優音体力無いね」

ががーん。

夜更かしなんてほとんどしないから、しょうがないよ。


普段よりは涼しいとはいえ、昼は夏なので暑い。

朝との温度差が激しい。

あぁ…。

暑いよ…。

足が筋肉痛…。

座りたい。


でも目の前には大きな岩。

足を上げるのも疲れる…。



「ほら」

す、と伸びてきた手。

顔を上げると、


既に岩を登った前田くんだった。


「え、あ、ありがと」

私は前田くんの手を掴んだ。

前田くんはぐいっと引っ張ってくれる。

私は楽に岩を登ることが出来た。

「うひょ、前田イケメン」

森くんが前田くんの背中をバシバシ叩いた。


きゅー。

また、喉の奥が痛い…。

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