スカイ
それと、顔が熱くなる。
心臓がうるさくなる。
でもそれは、中川に手紙を渡した時とは違う感覚。
皆に追いつく少し前に、ぱっと手を離された。
そしてまたいつもの無表情に戻った。
笑顔、可愛かったのに。
勿体ないな…。
それから私は何度か叫びながらも、何とか無事に帰ってきた。
「ビビりすぎだっただよ優音」
理穂ちゃんは先に戻っていた由香に話す。
「あはは。優音おもしろ」
「わ、笑わないでよ〜」
怖いもんはしょうがないじゃん。
しばらく理穂ちゃんと由香に笑われていたが、私は辺りの暗さにまだビビっていた。
すると急に理穂ちゃんが真剣な顔になり、聞いてきた。
「そういえば返事、いつ聞くの?」
「あ、それ私も気になってたんだ。いつ?」
「た、タイミングがあったら…」
すると理穂ちゃんの顔が急にこわくなった。
「タイミングがあったらじゃないっ!自分がタイミングを作るんだよ!」
「じ、自分で…」
「そう」
そっかぁ。
自分で…か。
私が告白したんだもんね。
聞きにいかなきゃだよね…。
すると、ちょうどそこに中川が肝試しから帰ってきた。
「行って来な」
理穂ちゃんに背中を押され、私は中川のところへ走った。
何も考えずに走った。
返事を聞くために。
それ以外何もなしに。