スカイ
深夜。
さっきまでみんなヒソヒソ話していたのだけれど、もう今日のハイキングで疲れたのか早く眠ってしまった。
私はなかなか眠れない。
かといって泣いているわけでもない。
悲しいはずだけど涙が出てこない。
泣くの我慢したからかな。
どうせなら、思いっきり泣きたかった。
両隣の2人ももう寝たようだ。
「ごめんね…」
2人にそうつぶやいた。
剣道部の皆にも、結果を報告しなきゃいけない。
本当は、いい結果を伝えたかったよ。
みんな応援してくれてたのに…。
由香と理穂ちゃんは、すごく優しい。
だから、二人に悲しい顔させたくなかった。
一瞬だけど、曇った顔。
思いだすと、胸が苦しい。
『無理』
そういった中川の声。
思いだすと…悲しい。
どうしてもマイナスなことしか浮かんでこない。
どうしたんだろ、私。
プラス思考のはずなのに。
前向きなはずなのに。
心の中の黒い渦が消えない。
私は無意識に立って、部屋を出た。