スカイ
それから、ずっと普通に、いつも通り、何事もなく一日が終わった。
まだ私は、何も気づかず。
次の日。
金曜日で、夏休み明けすぐだというのに図書委員の当番だ。
午前中だけの授業を終え、図書室に行った。
今日は夏休みに借りていた本を返しに来た人がたくさん来ていて、忙しかった。
その人達も用を済ませ、図書室が空いてきた頃。
水城くんが図書室に入ってきた。
何故だか、いつものような元気よくドアを開ける音が聞こえなかった。
その顔を見ると、いつもより元気が無い。
前田くんも気付いたようで、少し驚いた顔をしていた。
「アキー!今日人多いな〜!」
明らかに作り笑顔、空元気だ。
「お前、どした」
「どうしたも何も、ねぇよ?」
水城くんはそう言いながらも、少し悲しい顔をした。
「あたしもなんか心配だよ。いつもより、おしゃりじゃないし」
「そ、そんなことねぇだろ…」
やっぱり。いつもならもっと喋るもん。
「水城くんが元気ないと、調子狂っちゃうよ」
水城くんは暫く黙ってしまった。
図書室が、珍しく静かな空間になった。
そして迷いながらも、話し始めた。
「……ん、…実はな…」
「………え…?」