スカイ

今日は、午前中で授業が終わるし、給食もない。

特に用が無い人は、帰ってるはずなんだけど…

図書室を出たら、由香がいた。

「優音…?どうしたの!?なんで泣いてるの?」

驚いた顔をして、心配してくれる由香。

「由香っ…由香ぁ…あたし…っ…」

「…落ち着いて?ゆっくりでいいよ。学校出ようか」

「…うん…」

どこまでも優しい、由香。

別れたこと、知ってしまったら、なんだかそれが、悲しい。

私は由香に支えられながら、学校の近くの公園へ行った。

木の下にあったベンチに腰掛ける。

「…落ち着いた?」

「うん…」

「なにがあったの?」

…何を、話したらいいのか…分からない。

「由香…あのね」

「うん」

「私に…なんでも相談してくれていいんだよ」

「……!…」

由香は、驚いた顔をしていた。

どんな意味か、分かったんだろう。

「私…なにも出来なくてごめんね。自分のことばっかりで、由香のこと気付けなかった。由香だって、辛かったはずなのに」

「そんな…こと…っ」

私は、止まったはずの涙がまた溢れてきた。

由香の目にも涙が浮かんでいる。

「だって…由香、辛いのに…っ…私のこと…気を遣ってくれて」

「優音…っ」

由香が、私の肩をつかんで、自分のほうに私の体を向けた。

「言えなくてごめん…っ!」

「由香…」

「でも私…っ、優音のほうが大事だから」

「ゆ…か…」

優しさでいっぱいの、由香の目。

私、こんな人と友達で…

幸せだよ。

「ありがとう…」

そうだよ。私、林間学校の時、気づいたじゃん。

『ごめん』じゃなくて、『ありがとう』なんだって。

「私こそ…言えなかったのに、心配してくれてありがとう」

二人で、抱き合った。

まるで、ドラマの1シーンみたいに。
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