スカイ




夏休みも明けて、だんだん学校に慣れてきた頃だ。

9月末にある体育祭の話がポツポツ出て来始める。

そんな中、私のクラスでも誰がどの種目に出るか決めていた…。

あらかじめ、放課のうちに希望を掲示板に貼ってある紙に書いておいて、かぶったものは話し合う、というシステム。

種目は、全部で8つ。

あと、各学年ごとでクラス全員参加する種目が1つずつだ。

私は、由香と一緒に男女混合リレーのところに名前を書いた。

他のより、10人と参加出来る人数が多いのでこれにした。

2人とも、あまりモメるのが好きではない。

前田くんは…

あ、男子400mリレーのとこに名前書いてある。

そっかぁ。

少しだけ、悲しい。

男女混合なら、一緒に出来たのに…。

男子400mリレー、かぶってないし…決まっちゃうなぁ。


「それでは話し合いを行いますー。えー、男子は教卓の周り、女子は教室の後ろに集まってください」


皆ぞろぞろ動く。

全員集まったところで、真子が中心となって話し合いを始めた。

「では、かぶってる人はこっちに。かぶってない人は、変更無いですかー?
…ん、OKね。じゃあ話し合いしますー」


真子がてきぱき決めていく。

私達は女子5人きれいに揃って、話し合いには関係無いようだ。

「うちは足遅いし200mも走れないから!譲って!!」

理穂ちゃんは、一番楽なバラエティーリレーがいいみたいだ。

かぶってる子も運動神経があまり良くない子なんだけど、理穂ちゃんの迫力に逆らえず譲っちゃった。

「優音」

「なに、由香?」

由香はまた小悪魔スマイルだ。

「前田くん、一緒に出来なくて悲しい?」

「へっ?」

「ふふふ」

な、なんで分かったの!?

「由香ってエスパーなの!?」

「ふふっ、否定しないのね」

「え、あ、う…」

「優音、可愛い〜」

「何それっ」

もうっ。

からかって!

でも由香だから許しちゃうじゃん。

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