スカイ

なんてやってるうちに、女子は決まったみたい。

男子はもうすぐに決まっていた。

黒板に、種目とその選手が書かれていく。

男子400mリレーは、やっぱり…



あれ?

前田くんの名前が無い。

男女混合リレーは…

あ。

あった…。

由香が、こっちを見てニヤニヤしている。

また一緒だぁ…!!

嬉しい。

私までニヤニヤしそうだよ。

こんなに一緒なんて、偶然にも程がある。


鐘が鳴り、帰りの用意をする時間。

由香は真っ先に私のところに来た。

「前田くん一緒になったね!」

「うん!!」

「嬉しそうな顔してぇ」

「え、あはは」

由香のほうが何だか楽しそうだ。

由香は、急に小さな声で話しだした。

「前田くんってさぁ…」

「なに?」

「優音のこと好きなんじゃない?」

「……へっ?なな、なんで!?」

「だって、いつも優音の後に一緒のやつに変えるじゃん。一緒にやりたいってことじゃない?」

確かに…。

バスレク係もそうだった。

でも…。

「それは無いでしょ!」

「あるよ〜」

「無いって!ほら、帰りの用意しなきゃ」

「うー。あるのに」

由香はしぶしぶ自分の席に戻った。

今、珍しく私のほうが上に立てた気がする。

なんか嬉しい。

前田くんを、ちらっとみた。

相変わらず無表情。

私のこと…

ううん、無い無い。

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