あなたの視線
部屋に入ると、ベッド
の上に倒れ込んだ。

さっきまでの光景を思い
だすと胸がウズウズする。
絶対カノジョいるんだ
ろうなぁ‥

そんなことを思いながら
私の退屈な日常に
新しい感情の変化があっ
たことが少しくすぐった
い気がした。




「さくら〜!」

1階からお母さんが
呼んでいた。

「下りてらっしゃぁ〜い」
私は体を起こし階段を
下りて行った。


リビングに入ると
紙袋を手に何やら楽し
そうなお母さん‥


「何?」


「来週の結婚式に
アンタに着せる
ワンピース買って
きたの〜♪着てみて」


「もう来週かあ」


私と7つ年の離れた
お兄ちゃんは学生時代からの彼女 蜜香さん と
結婚する。

蜜香さんは昔からよく
家に遊びに来ていて
私にとっては本当の
お姉ちゃんのような
存在だった。

だからお兄ちゃんと蜜香
さんが結婚すると
決まった時は心から
喜んだ。



「はい、サクラ!
これかわいいでしょ」


そういってお母さんが
見せたのは
薄いピンクのワンピー
スで胸元にはコサージュ、裾はレースになっていた。
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