あなたの視線
「ちょっと〜
勝手に競争しないでよ」


「お兄ちゃんは
見に来たんですか?」


「ううん。まだ。
今頃泣いているん
ぢゃないかなぁ〜」


「あぁ〜かもね」






私と由香里は少し話し
たあと、控室をでて
ロビーへでた。



「さくら〜
私お手洗い行って
くらね。」


「うん。外のベンチに
座ってるよ〜」


「うん。了解」


由香里はお手洗いマーク
の方へ歩き出した。


私は外にあるベンチに行くため入口の方へ行くと、


「さくら!」


「お兄ちゃんっ」



そこには白いスーツがまだちょっとぎこちないお兄ちゃんが立っていた。


「お兄ちゃん
おめでと♪


やっぱり泣いた
んでしょ?」


「えっ!!何で?」


「目が赤いよ」


「あっこれは〜‥
ゴミが‥」



私たちの想像通りお兄ちゃんはやっぱり泣いていた。

「俺、母さん達のとこ
行ってくるよ。」


「蜜香さん、
キレイだったよ」


「‥見に行ってみるよ」


お兄ちゃんは照れながら
控室に走っていった。
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