あなたの視線
「ただいまより、
新婦のブーケ争奪戦を
行います!
独身女性の方々
前の方にお集まり
ください!!」


とアナウンスが流れた。


その途端、大勢の女性達
が前へかけよった。


「あたしもいかなきゃ!」

由香里も走り去って行
ってしまった。


私はその戦場と化している場所を見つめていた。




「ブーケ、
取りにいかなくて
いいの?」


「あっ‥
誠也さん!」


さっき見つからなかったからもう帰ったのかもしれないって思っていた。


「さくらちゃんは
彼氏いないの?」


「いませんよ〜!

誠也さんは?」


「いないよ!
俺もブーケもらいに
いこうかな♪」


「えっ!」


「どうしたの?」


「いや‥
誠也さんぐらい
カッコイイと
彼女いるだろうな〜
って思ってたから‥」


「俺モテないし、最近
は仕事に慣れるのに
必死だったからね」


「仕事って?」


「高校の先生!」


「ええ〜!そうなのっ?
誠也さんみたいな人が
うちの学校にいると
みんな張り切るだろ
うな〜‥」


「そうかな‥
新米教師だから
イジメられたりして」
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