あなたの視線
―ピロロロ〜♪



由香里の携帯が鳴った。


「あっ!たっくんだ♪」


「もしもし?
今サクラといつも
のとこにいるよ〜

えっ?ほんと?

うん、わかったぁ〜」



「たっくんバイト
終わったの?」


「うん♪
今から迎えに来て
くれるって〜」


「もおそんな時間か‥」



携帯を開くとデジタル
時計がPM10:10を
表示していた。



「結局、由香里の
ノロケ話ばっか
だったね〜」


「サクラも早く
そんな話してくれ
ないかなあ〜♪」


「はいはい」



私達は街中にあるビルの
2階にあるファーストフード店から出た。



この店は中学の頃から
よく利用していた。


ガラス張りで外が見える
ようになっているカウンター席からは街中にある
アーケードが見渡せる。


ここにくると、
ついつい人間観察でも
してるかのように
街を行く人々を見てしま
っている。ふいに知り合いを見つけてしまうことも
あるぐらいなんだ。




店を出るとさっきまでの涼しさは一気にとんでいった



「あっつ〜い」


「もう7月だもんね〜」




今年は特に暑くなりそうだなあ‥
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