あなたの視線
中学の頃から由香里は
結構ハデに遊んでいた。
彼氏とゆうものも
途切れることがなかった。

けれど高校に入ってから
たっくんは由香里に猛烈なアピールを繰り返した。

最初は欝陶しそうにして
いた由香里も段々たっくんに惹かれて、
1年の夏休み明け。

2人は手を繋いで
登校してきた。


それからは
2人のバカップルぶりは
周りもうんざりするほど。
今じゃ学年公認になった。

そんな2人を
正直うらやましいなぁ
って思うこともある。


お互いを想い合う気持ちがすごく2人の間に流れて
いた。


私は誰かとそんな風に
想い合うということが
今までなかった。


いくら私が相手を
思っても、
相手にその気がなければ
いくら付き合っても恋人
とはいえない。


中学の時のことも
私が一人舞い上がって
いただけなのかも…。


あの時、
もっと周りを見ていたら
こんな想いを今だにし
なくてもよかったの
かもしれない。


何度も泣いた。
何度も先輩を憎んだ。


けれどその先にあるのは
いつも疲れ果てた自分
だった。
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