夏の贈り物
新しいクラス



綺麗に並べられた机



中学のときと対して変わらない教室



でもどこか新鮮



(ここで1年間過ごすのか)



「ハハハッ、やっぱ拓とは縁があるね♪♪」



振り向くといつもの元気なかおりの笑顔があった



「げぇ、ヤスじゃないのかよ」



ヤスは隣のクラスになったようだ



「なによ!!アタシよりヤスのほうがいいわけ?!」



かおりがほっぺを膨らます

他の男子には可愛くてたまらないんだろうが
オレは見慣れていてなんとも思わない



「お前がいると秘密をいつバラされるか不安で生きたここちがしない」



「言い過ぎ〜。ってか、拓だけはアタシの膨れっ面は効かないのよねぇ〜」



「慣れてるからなぁ。てか効くほうがおかしいだろ」



軽く笑いながら言う



「べー!!拓よりいい男いっぱいいるからいいもんねぇ」



見慣れたかおりのあっかんべーに笑顔で返し席についた



中学の時と対して変わらない机



だけど何かが違ったように見えた



(やっぱ高校生になると気分が違うな)



拓也は回りを見渡し可愛い子を探す



(拓ったらまたキョロキョロして。)



かおりが呆れた顔をして拓を見つめる



「かおりちゃんってさぁ、あの子と付き合ってるの??」



かおりに話かけてきたのは入学式の時にかおりの近くだった八木 望



「んな訳ないじゃぁん!!
拓とはただの幼なじみってか息子?みたいな付き合いだよ」



「息子って拓也君かわいそう♪♪
でも、さっきのかおりちゃんの顔はそんな感じだったね」



「拓ったらいっつも新しいクラスになったらまず可愛い子をあぁやって探すのよ。
アホみたいでしょ??」



「そうかなぁ??可愛いくていいじゃん♪♪」



「のんちゃん変わってる〜。」



二人の楽しそうな会話を拓也は見ていた



「アイツ、秘密バラしてないだろうな?」



そんな不安を抱えていたとき



「席、隣だね」
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