夏の贈り物
「何考えこんでるの、拓!!」



突然に顔を覗き込まれ、反射的に顔が赤くなった



「な〜んにも。ただ、ヤスは何してるかなぁって。」



赤く染まった顔を見られないようにうつむきながら答える



「ヤス君も同じ学校なの??
小学生の時の仲良しメンバーが揃うとかすっごい偶然じゃなぁい♪♪」



拓はめぐみの顔を見たかったが顔がまだ少し赤い気がしたので見れなかった



「拓君………」



望が小さな声で俺を呼んだ



「拓君って、めぐみちゃんのこと好きだったの??」



「ちがうよ。。。」



「女の勘をナメないでよ。
めぐみちゃんが話かけてから、拓君雰囲気変わったもん。」



「…………だったよ」



「うん??」



「好きだったよ……
でも今は別に好きじゃないさ。
久しぶりに会ってびっくりしてるだけさ。」



「そっかぁ〜。
ねぇ、拓君。
アタシ達、もう友達だよね??」



「友達だよ。」



「だったらこれからは何か悩んだりしたら相談してね。
アタシ、相談されるの好きなんだ♪♪」



望が拓を気づかっていたのが拓にもわかった



「変な奴だなぁ。
でも、その時は相談しますわ。」



「お姉さんに任せなさい!!
もちろん相談された事は誰にも言わないよ。」



「そうじゃなきゃ困るって。」



拓と望が楽しそうに会話してる姿をめぐみはどこか寂しげに見ていた



「拓って誰とでもすぐ仲良くなれるよねぇ〜。」



拓と望の会話を見ていたかおりがめぐみに話しかけた



「昔っからそうだったよねぇ。拓の悪口は誰からも聞かなかったぐらいみんなに人気があったよねぇ。」



「恋の話しもまったくなかったけどね♪♪」



二人は拓の顔を見て
クスクスと笑った



まだ、桜が舞う季節
新しい生活はまだスタートしたばかりだった
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