狼の話
プロローグ 少年
東西南北に太い道路、
(ハングリー大通り)を伸ばしている貿易大国
(スープ)は今日も大いに賑わっていた。

誰か買うんだ?と思うような高額な皿や、偉そうな、しかし、使い道の想像出来ない何かの道具、良く出来ている贋作などが、忙しそうに大通りを流れて行く。

商品が人間を急かして運んでいるかのようにすら見えてしまう。

そんな騒がしい街に、ある少年がいた。

彼は雑踏から少し離れた小路の、この辺のレストランや屋台など外食産業の者がよく使う、大型のゴミ箱の横に座り込んでいた。
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