ハチミツ
「じゃね、美桜。」
「うん、ばいばい。」
優衣ちゃんと別れてから、あたしは玲央のもとへ向かった。
珍しく、玲央の周りに女子達はいなかった。
「玲央。……ちょっと、いい?」
「…なに。」
今は、放課後。
静かな教室と、向かい合うように立った、あたしと玲央。
あぁ、あの日と同じだ。
玲央に告白した、あの日と。
溢れ出しそうになる涙を必死にこらえて、あたしは、真っ直ぐに玲央の目を見た。
「玲央、別れよう。」
悲しい言葉を、告げるために。