ハチミツ
肩で息をして、まるで今まで走ってたみたいに。

「玲央…?」

息を整えてから、玲央がゆっくりとあたしに近づいてきた。

「美桜…」

愛しい人の、あたしの名前を呼ぶ声。

あぁ、やっぱりあたしって、玲央が大好きなんだなぁって、実感する。

ギュッ

!!

急に玲央が、あたしを抱きしめた。

「れ「別れるなんて、言うなよ。」

あたしの耳元で、少しかすれた、色っぽい声で、玲央が囁く。

「え…?ちょっと、待って。それじゃ、まるで、あたしのこと、好きみたいに聞こえるよ?」

「…みたい、じゃなくて、好きなんだよ。」

玲央はあたしの体を離しながら、そう言った。




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