ハチミツ
いつもなら、こんな美桜を見た瞬間に笑いかけてしまうけど、今日はぷいっとそっぽを向いた。
「…玲央?」
そして、そのまま図書室へ。
昼休みと言っても、図書室に来る生徒なんて1人もいない。
俺は、本棚と本棚の間の通路を足早に歩く。
それを必死で、美桜が追いかけてくる。
…可愛い
「玲央?」
不安そうな声で、美桜が俺を呼ぶ。
もう、そろそろいいか。
俺は足を止め、美桜のほうを向く。
それと同時に、美桜の足も止まる。