激甘カレは超セレブ
待て。
とりあえず落ち着け。
どんだけ綺麗な美少年、いや失礼。
青年でも、彼は凡そあたしのはるか年下。
”キス”なんて二文字に焦った姿を見せるわけにはいかない。
っていうか、大事な事を忘れて……
はっ!!
「は、早く行かねばッ!」
社長室じゃないか、ここは。
いち早く退散するという任務を墜行せねば、戦争が勃発してしまう。
キスがどうとか企てている場合ではないのだよ、ガイル少佐。
さあ、早く!!
勢いよく立ち上がる。
………って、あれ?
「にゃあ゛ぁぁっ!」
手を引かれて崩れ落ちる。
「ぷ、”にゃあ゛”なんて猫みたいに叫ぶ女の子初めて見ました。想像通り素敵な人だ。」
「な、な、~~~;」
一体あたしは何が言いたいんだ。
これじゃ本当ににゃんこ、キャットじゃないか。