激甘カレは超セレブ


話戻すよ。


と、切り替えの早い香里ちゃん。


「その定例会、社長も必ず参加してるのよ。ほら、いつも会の初めと終わりに壇上に立って話してくださるでしょ?」


「あんな若い王子様なんかマイク握ってたっけ?」






頭を掠めるのは……


司会の若い子くらい?


「司会じゃないからね。」


エっ……


じゃ、じゃあ!最初に壇上で話す今時ポマード塗ってる超ツヤツヤ七三のあらゆる部位が真ん丸い、時代錯誤のオジサンは……?


「あの七三は、うちの部長。あれでもまだ30代なんだからね。」


さすがエスパー香里っ!!


また人の心読みやがったな?


「読んでないわよ。アンタいっつも喋ってるわよ。そのくらいも気付いてないの?」


うっ…………


「ウソだぁ~~~~っ!!」




店内の喧騒が遠退いた一瞬でした。


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