水恋
学院祭
次の日となり、本格的に高校生の生活が始まる。
そして、今日の5、6時間目のホームルーム。
担任の川口先生が教壇にたつ。
「5月のゴールデンウィークには学院祭がある。そのために、学院祭の実行委員を決めたいと思う。誰か、やらないか?」
新学期早々、まだ慣れてないクラスで、実行委員を率先してやろうとする物好きがいるとは思えないけど。
みんな、上を見たり、下を見たり、ちょっと隣を見たり、でも誰とも目を合わさない。
「……やっぱ、そうだよな…」とつぶやく川口先生。
まぁ、毎年新入生のお約束の出来事なんだろうな…。
「んじゃあ、先生が、席順表の上で目をつぶって、指動かすから、誰かストップ言ってくれ。俺の指が止まったやつが、実行委員だ。誰か、ストップ言うやつ」
それこそ誰も手を上げないだろう。
当たってしまった人にどう思われるか。
「俺、やります、ストップいうの」