水恋

「…えっ」

「うぉ、マジか」

克弥が驚いた表情で言う。

思わず克弥を睨む私。

そして、私に視線が集まる。

みんなから、「あぁ、可哀想に」ていうのと「自分じゃなくて良かった」ていうのがびんびん伝わってくる。

「んじゃ、木ノ下。もう一人は、お前が選べ」

先生はそう言った。

誰を選ぶかはもちろん、決まってた。

私を選んだ、こいつだ。

私は、明らか「げっ」ていう顔をしている克弥を指さした。
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