毒舌メイド 【完】
「あなた、やめて!! 駿を蹴らないで!!」
お母さんは駿を庇い、部屋に連れて行く。
連れて行かれる駿と目が合う。
お母さんとは目が合うことも無い。
私を、見てない。
「ま、まま……!!」
「うぉっと、足が滑っちゃたなー?」
「きゃ、いたい!! ぱぱ!!」
蹴られるのはいつも、双子のうちの私だった。
よく分からないけれど、お母さんは私が大嫌いで。
お父さんは、お酒が入ると人が変わる。
これが日常だった。