毒舌メイド 【完】




第一、私だって驚いたんだから。


そういう暇も無く、お母さんは顔を赤くさせ叫んだ。


「黙りなさい!!」


お母さんがその手を振り上げて、


――バシンッ


駿が目を見開く。


私は頬を抑えながら、ポツリと呟く。


「……お母さんは、いつも……理想を押し付けてばかり」


「真桜、ごめん。……行こう」


そう言った駿と部屋に戻ると、駿は私に頭を下げた。


九十度に頭を下げる所をみると、やはり優等生だった時の癖は残っているらしい。



< 109 / 308 >

この作品をシェア

pagetop