毒舌メイド 【完】
「ごめん。俺のせいで、真桜が……っ」
顔を歪めて、自分が殴られたわけでもないのに悔しがる。
「……別に、いい。それより、駿……見事に染めたね。真面目なくせに」
「いいんだよ……俺、真面目じゃねーし! 今日から不良になるし」
「変なの」
「変って言うな、馬鹿」
この時、
私は駿が羨ましいと思った。
私を放っておけば幸せなはずなのに、一緒になって、抵抗してくれて。
そんな強さが、私にあればいいな……って。
ちょっと嫉妬したし、憧れた。