毒舌メイド 【完】
「駿も同じ苗字だし、紛らわしい」
「確かにそうだけど……。あ、それって……名前で呼べってことか?」
その質問には答えずに、保健室を出ていく。
「早く、悠馬」
“悠馬”――……。
……なんだ、悪くない。
聞きなれた自分の名前なのに、彼女が言うと特別に聞こえる。
「……あぁ。わかってるよ、真桜」
そう言った時、水城の――……真桜の顔が赤かった気がするのは、
気のせいではないだろう。