毒舌メイド 【完】
「あ……いえ。なんでもありません。それより、コーヒーでもいかがでしょうか?」
「ん、よろしく」
私の仕事に集中しなきゃ。
コーヒーを淹れながら、赤いはずの頬を冷ますように努力する。
――コンコン
悠馬は仕事やらなんやらで忙しそう。
ここは私が開けた方がいいかな……なんか、これ、新婚さん……みたい。
再び頬が赤くなりそうで、私は慌ててドアノブに飛びついた。
――ガチャ……
「な、何のご用でしょうか。悠馬様は今仕事をしていらっしゃるので、ご用があるのでしたら――……」