毒舌メイド 【完】
「ちょっと、レオー。何で私、アンタと周らなくちゃいけないの?」
「まーまー。悠馬がおもしろくってさー」
面白くってさー……じゃねーよ。
「悠馬と話したのに・・・。」
「え? 悠馬が良かった?」
ニヤニヤと笑ってくるレオを見て、私はそっぽを向く。
……意味不明だ。
『うらめしや~』
と、お決まりの言葉で驚かすお化け役に眉一つ動かさず通り過ぎ―――・・・
『キャーーーー!!!』
という叫び声にも、怖がらず。
私たちは、お化け屋敷を歩いています。
口論を言いながら。
超違和感たっぷり。
「レオ、手を掴むのやめて。暑苦しい。」
「こーゆーのは〝繋いでる〟って言うんだ。あ、でも悠馬が泣いちゃうか」
「なにそれ。なんで悠馬。なんで泣く」
「ま。外に出てからのお楽しみ?」
レオはつないでる手を上にあげて、ニコリと笑った。
「お楽しみはいいから、離して」
レオは、笑顔でこう言った。
「無理!」