毒舌メイド 【完】





真桜ーーーーーーっ!!




「おい、誰って・・・昨日会っただろ!!」




「・・・さぁ? 忘れた。」




俺は、頭を抱えて座り込みたくなる気持ちを、必死に抑える。




耐えろ・・・耐えるんだ、俺!




そんなことしてる場合じゃないだろ。




聞きたいことが、あるんだし・・・。




「よろしくね! って、忘れちゃった? 私だよ、古森 サヤ(コモリ サヤ)!」




「・・・・・・あぁ、あの・・・。」




「うん。思い出した?」




「バッチリ。あの時、私の上履きをボロボロにしてくれて、ありがとう。」




営業スマイル付き。




・・・全然、ありがたそうじゃないよ、真桜ー?




笑顔に、裏がありそうだ・・・。




「え? 上履き? ボロボロ? それって、なぁに?」




「特に、いい思い出じゃないから。じゃ、よろしく。」




そう言う真桜は、特に昨日のことも、ここになぜいるかも聞かなかった。




嫌な予感しかしない俺は、朝、古森に会った時から、挙動不審になってしまった。




ん? でも、今考えると、俺の上履きがボロボロになったのって・・・・・・。




もしかして―――・・・。



< 144 / 308 >

この作品をシェア

pagetop