毒舌メイド 【完】
店の外に出ると、冷たい風がムチのように俺の体にあたる。
さ、さむっ!
俺が身震いすると、青いマフラーが巻かれる。
驚いて振り向くと、真桜が悪戯っぽい笑みを浮かべた。
「それ、クリスマスプレゼント。」
俺は、しばらく呆然としていたけれど、ようやく理解した時は、真桜は5メートル離れたところに。
「ま、真桜っ!」
俺がそう叫ぶと、驚いたように振り返った。
俺は真桜に向かって、プレゼントを投げる。
プレゼントは、真桜の手の中に吸い込まれた。
雪が、ヒラヒラと舞い落ちる。
「俺、真桜の事―――」
そこまで言った時。
電車が近くを通って、俺の言葉をかき消す。