毒舌メイド 【完】
「光栄な限りですね」
「はぁ!? 今言うことじゃねーだろ、その言葉!」
何か言い返そうとしているみたいだけど、言葉が思いつかないらしい。
私は悔しそうな顔をする成本君を見て、思わず笑ってしまった。
成本君は私を見てピタリと動きを止めてから、困ったような照れたような顔をした。
「……んだよ。お前、そーゆー顔で笑えんじゃん」
「はい? ……あぁ、いえ。馬鹿だなーと思ったんです」
「はぁ!? 可愛げのないっ!」
怒って床をドシドシと音をたてて歩く成本君。
その後ろを歩きながら、私は成本君に言う。
「成本君……悠馬様は、本当は――……」