毒舌メイド 【完】
そこで言葉を切る私に、成本君は気になったように足を止めた。
振り返り、こちらをジッと見据えてくる。
「本当は……?」
「……普通に性格が良いじゃないですか。100分の1だけ、見直しました」
「たったそれだけかよ……」
少し拗ねたように顔を逸らして、成本君は部屋に入ってしまった。
……変な成本君。いや、もともとアイツは変だったけど。
でも、少し顔が赤かったような……?
私は少し考えてから、その考えを追い払うように首を振って歩き出した。
……そんなの、気のせいだよね。