毒舌メイド 【完】
メガネがたくさんある。という部屋に案内される。
「じゃ、好きなのどうぞ~。」
・・・・・・なぜあの人は、こんなにも親切なのだろうか?
惚れっぽいとか?
・・・・・・。
・・・・・・・・・。
まさか、ね。
「うわ、ウィッグ? すご。あ、こっちのも面白そう。今度、駿を脅かそう。」
・・・あ、忘れるとこだった。
メガネ選べって、言われたんだった。
「・・・黒縁メガネ? いいや。これで。度があんまり、入ってないし。」
あとは、髪か・・・。
長いと、ばれるな。
ってほど、長くは無いけど。
面倒臭いな。切っちゃえ。丁度いいところに、ハサミがあるし。
――― シャキ・・・シャキ・・・
ぱらぱらと、ゴミ箱に髪が落ちる。
――― コンコン。
「まだ? 部屋に案内したいんだけど~?」
「あ、はい。今行きます。」
黒縁メガネをかけて、帽子を手に取る。
・・・あとで、返さないと。