毒舌メイド 【完】
「ごはん、どうぞ。お腹すいたでしょ?」
舞人は、そのごはんを、怪しむような目で見ている。
「・・・・・・いらない。」
「えっ、何で・・・?」
「・・・クソババアに『知らない人から物をもらうな』って言われた。」
超ベタだな。しかもコイツ、棒読み・・・。
でも、愛華は・・・信じるだろうな。
「そ、そうなのっ? でも、もう名前教えた同士じゃない?」
「・・・いや、いいです。自分で作れますし。」
案外、しっかり者らしい。
「でも・・・。」
「すみません。僕、眠いんで。」
そう言うと、リビングを出て行った舞人。
「悠馬くん・・・舞人くんと話してくれば?」
「・・・ああ。」
俺は、操り人形のように愛華に従うしかない。
「・・・あ? 舞人、どこ行った?」
キョロキョロあたりを見回すと、階段を上って行く姿がチラッと見えた。