毒舌メイド 【完】
愛華が、目を見開いて、歩くのを止める。
「どうして、こんな所にお父さんが―――・・・っ?」
「この男と、どういう関係だ。」
「・・・お父さんには、関係ない。」
そう言って、そっぽを向く愛華。
「愛華っ!」
そう言って、肩を震わせるおっさん。
そして何故か、怒りの矛先が俺に。
「お前が・・・お前が悪いっ!」
なんでだよっ! と、思わず叫びそうになったけど、自分の不利な状況を考え、
慌ててその言葉を飲み込む。
「悠馬くんは、関係ないっ!」
「お前ら・・・名前で呼び合う仲なのかっ!」
「そんな仲じゃなくても、名前でぐらい呼び合うよっ!」
親子喧嘩を、俺は茫然と見る。
愛華、こんなに大声を出したりするのか。
いつも、物静かなのに―――・・・。